━━━◆◆◆ 中国地域MOTコンソーシアムメールマガジン  ◆◆◆━━━  ★このメールは毎月1回(各月の第1週),   中国地域MOTコンソーシアム関係者の他,登録された皆様にお届けします.  ★ホットニュースがあるときには,号外をお届けすることもあります.  ★このメールマガジンは,中国地域MOTコンソーシアム事務局が編集・発刊   しています. ━━━━━━━━━━   第4号(2004年1月5日) ━━━━━━━━━━ 【第4号のコンテンツ】 ●連載第2回「MOT一口メモ」「MOTとコンセプト」 ★新連載「技術経営箚記【さっき】」 ●MOT関連情報  ○ベンチャーフェアJAPAN 2004(1/21,22 東京)  ○新技術開発センターのMOT関連セミナー(1/27,28 東京)  ○企業経営と情報リスクマネジメントシステム特別講演会(1/20 東京)  ○東大先端研MOT「研究開発法務論」実証講義(1/16,23,30 東京)  ○国際特許流通セミナー2004(1/26-28 東京)  ○講演会「失敗に学ぶ経営」(2/17 広島) (中国地域MOTコンソーシアムホームページ: http://www.chugoku-mot.org/ ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             MOT一口メモ 第2回             「MOTとコンセプト」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  先月号で,山口大学の向山先生がご指摘のように最近,頓にMOTという言 葉がいたる所で使われだしています.「巨人,大鵬,玉子焼き(チト古いか? )」に準えるなら「ナノテク,バイオ,MOT」であり,MOTについて言え ば「セミナー,フォーラム,シンポジウム」と活況を呈しています.  ご承知のようにMOTの内容は幅広く,教育の対象とする人も学生,起業準 備中の人,企業における技術者,技術系管理職,経営層等々,非常に多様です. 上記の「セミナー,フォーラム,シンポジウム」を見ていて感じるのはどのよ うな人を対象にして何を伝えたいのか,何を身に付けることを狙いにしたもの かというコンセプトが不明なものがあるということです.これが立ち上がり時 期特有の過渡的なものなら良いのですが,事業化や商品開発計画においてコン セプトつくりの重要性を教えるMOT自体のイベントがコンセプト不明のまま 推移するのでは少し心配になります.  歴史と経験が浅い,というより殆ど無い我が国ではMOTの全貌を体系立て て概念的に把握している人が少なく,そのために関係のありそうな知的財産, 財務・会計,起業家論・・・・と一通り揃えて無国籍料理コース一丁上がり式 のお手軽会席メニューになっていなければ幸いです. 欧米の大学院におけるMOT教育はどうかというと,明星大学の田路則子氏 の報告(研究・技術計画学会 年次大会 2A22 2003年)が参考になります.そ れによると例えば,米国MIT(スローン校)でのMOT教育は最近の同校の 米国人入学者の殆どが企業派遣ではなく(以前はこれが大部分であった)投資 家からの支援を既に受けて起業準備期間中である,という状況を受けてアント レプレナーシップ教育を大きく謳うようになっているとのこと.それぞれの大 学においても対象を絞り顧客(=学生)志向の目的的な教育をしているのはプ ラグマテイズムの国らしいということでしょう.                          <用語解説> 「アントレプレナーシップ」 日本語訳は企業化精神、起業家精神。技術革新だけではなく事業の仕組みや社 会的な革新も含めた広義のイノベーションを遂行する能力を指す。アントレプ レナーは訳語として企業家、起業家の2つがある。前者は企てるという点に注 目し、後者は起こす(スタートアップ)に注目している。アントレプレナーシ ップの訳を企業家精神、起業家精神と「精神」という用語を用いたため、精神 のあり方のみが注目され、分析的な研究を難しくしているとの指摘がある。 (参考 「戦略経営ハンドブック」林昇一・高橋宏幸 編 第20章 ベンチャ ービジネス 2003年 中央経済社 刊) (広島大学 久保元伸) ━★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━               技術経営箚記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★━  箚記は「さっき」と読み,読書録のことです.今回からMOT(技術経営)に 関わっている方々に,書籍の紹介をお願いすることにしました.今回は4冊 紹介いたします. ======================================================================         早稲田大学ビジネススクール著『MOT入門』         (2002年,日本能率協会マネジメントセンター) ====================================================================== この本を著した早稲田大学ビジネススクールではMOT論の扱う領域を研究開 発および生産,物流,情報化などのオペレーション管理技術としており,戦略 マネジメントや起業家論はMBAコースになっている。従って本書ではこれら や知的財産全般などについては触れられていない。入門書ではあるが事例や具 体的データも示しながら,技術,オペレーション,情報化それぞれのマネジメ ントについて解説してある。第一章の「なぜ,今MOTか」の次に最終章の 「MOTの学習成果をどう活かしていくか」を読んでから第二章以降を読むと わかり易いと思う。                         (広島大学 久保元伸) ======================================================================      渡部俊也 編著『理工系のための特許・技術移転入門』        (2003年,岩波書店 ISBN 4-00-006143-7) ====================================================================== 技術移転という言葉は聞いたことがあっても,実際にどうすればいいのか,ど この段階が鍵なのか,全く分からず困っていた私には,大変役に立ちました. 知的財産の重要性について比較的分かりやすくまとめた第1章の後に,“X大 学のQ助教授は・・・”といった具体的なケース,特に大学で起こりうるよう なケースを想定し,どのように対処するべきかを具体的にキーワードとともに 解説しており,まさに“理工系”向きの本.最後に付されている,さらに勉強 したい人のための参考書欄や契約書の例も極めて有用でした.                         (山口大学 堤 宏守) ======================================================================       ピーター・シュワルツ著,垰本一雄、池田啓宏訳          『シナリオ・プランニングの技法』            (2000年,東洋経済新報社) ======================================================================  戦略立案の際に未来の予測は不可欠であるが、一方では正確な未来の予測は 不可能であるという問題に直面する。また、予測を立ててもその正しさを証明 することは誰にも出来ない(証明できた時にはそれは“未来”の予測ではなく 歴史的事実になっている)。  企業などが戦略策定をする場合に事業環境の見通しを一つしか持っていない のは甚だ危険である。この様な時に役立つのがシナリオ・プランニングである。 複数のシナリオを考えることで、選択しようとしている戦略のリスクを考える ことが出来て、環境変化があった場合にとるべき対策を予め考えて設定してお くことが可能になる。この手法は国際石油メジャーであるロイヤル・ダッチ/ シェルが長年使用してきたもので、同社は石油ショックとそれに続く石油価格 暴落、ソ連崩壊などを可能性として織り込み済みであったため非常に巧妙に対 処できたと言われている。  著者はシェルでシナリオ・プランニングチームのリーダーであった人物で、 本書においてシナリオの作成についての手法を背景にある考え方とともに解説 している。この手法について知りたい人には良書といえよう。                         (広島大学 久保元伸) ======================================================================       日本プロジェクトマネジメントフォーラム (編集)      『トコトンやさしいプロジェクトマネジメントの本        B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ』       (2003年,日刊工業新聞社,ISBN 4526051608) ====================================================================== プロジェクトマネジメントの意味と活用方法について、見開き2ページごと に一つのテーマが大きくてユーモラスな挿絵とともに配置され、専門的な知識 のない初心者でも読みやすくなっています。  プロジェクトマネジメントはもともと国家や大企業による巨大プロジェクト を円滑に進めるために考案された手法ですが、その考え方はプロジェクトの規 模や分野に依存することなく適用することができます。  この本では、家の新築というイベントをプロジェクトに見た立て、計画 (設計)および実行(建築)における様々な局面を体系的にマネジメントする ことによって、プロジェクトの完了(新居への入居)に導いていきます。家を 新築するという身近な事例を基にしてプロジェクトマネジメントの概要を判り やすく解説しています。                         (山口大学 大島直樹) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━               MOT関連情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ====================================================================== ◆ ベンチャーフェアJAPAN 2004(東京) ======================================================================  1月21,22日,東京国際フォーラムにおいて,ベンチャー企業の支援・育成の ためのイベント(経済産業省中小企業庁,中小企業総合事業団主催)が開催さ れます.詳細は下記ウェブページをご覧ください.  日時:2004年1月21日(水),22日(木) 10:00〜17:00  会場:東京国際フォーラム展示ホール1,2(東京都千代田区丸の内3-5-1)  主催:経済産業省中小企業庁,中小企業総合事業団  共催:雇用・能力開発機構東京センター  入場料:無料  規模:展示小間数約255ブース(予定)  詳細:http://www.vfj2004.com ====================================================================== ◆ 新技術開発センターのMOT関連セミナー(東京) ======================================================================  株式会社新技術開発センターが1月27,28日にプロジェクトや研究を進める ためのマネジメント手法のセミナーを開催します.詳細は各ウェブページを ご覧ください. ・実践MOT(技術経営)人材養成講座−入門コース−  2004年1月28日(水) 東京開催 講師:寺本義也氏,  山本尚利氏 受講料:39,800円  http://www.techno-con.co.jp/cgi/tecwww.cgi?mcode=332701&id=15093 ・どんなプロジェクトも成功させるマネジメント手法徹底習得講座  2004年1月27日(火) 東京開催 講師:藤川博巳氏 受講料:39,800円  http://www.techno-con.co.jp/cgi/tecwww.cgi?mcode=332701&id=15083 ・研究開発費の新基準・税制と研究プロジェクトの設定及び費用効果分析の  すすめ方  2004年1月28日(水) 東京開催 講師:西澤 脩氏 受講料:42,800円  http://www.techno-con.co.jp/cgi/tecwww.cgi?mcode=332701&id=15095 ====================================================================== ◆ 企業経営と情報リスクマネジメントシステム特別講演会(東京) ======================================================================  財団法人日本情報処理開発協会が1月20日に企業のIT化と情報リスクに関す る講演会を開催します.詳細は下記ウェブページをご覧ください.  日時:平成16年1月20日(火) 10:30〜16:50  場所:JJK会館 2F多目的ホール(全国情報サービス産業厚生年金基金  詳細:http://www.jipdec.jp/jrms-seminar/tokyo.html ====================================================================== ◆ 東大先端研MOT「研究開発法務論」実証講義(東京) ======================================================================  東京大学先端科学技術研究センターでは,マネージャクラスの方,知財部門 や法務部門の部門長やその候補者の方を対象とした実証講義を開催します.  参加希望の方は下記問合せ先にご連絡ください.  内容:  ○平成16年1月16日(金)10:30〜18:00   ・オリエンテーション   ・ケース米国の事例に学ぶトレードシークレットを巡る    リーガルリスクT(ケース研究)  ○平成16年1月23日(金)10:30〜18:00   ・ケース米国の事例に学ぶトレードシークレットを巡る    リーガルリスクU(ケース研究)   ・米国の事例に学ぶ特許権侵害を巡るリーガルリスク(ケース研究)  ○平成16年1月30日(金)10:30〜18:00   ・国内先進企業に学ぶリーガルリスクマネジメント   ・知財LRM評価表の作成・発表   ・まとめと省察   (18:00〜20:00は受講生および講師による懇親会を予定)  場所:六本木ヒルズ49Fアカデミーヒルズ  問合せ先: 福原哲哉 fukuhara@acteb.gr.jp        勝屋寛子 hiroko@acteb.gr.jp       東京大学先端科学技術研究センター       先端テクノロジービジネスセンター       MOT知財専門人材育成プログラム担当       〒106-0032       東京都港区六本木1-4-30 第25森ビル17F       TEL:03-3560-8321 FAX:03-3589-0468 ====================================================================== ◆ 「国際特許流通セミナー2004」の開催(東京) ======================================================================  独立行政法人工業所有権総合情報館では,平成16年1月26日(月)から28日 (水)まで,ロイヤルパークホテル(東京・箱崎)で,特許流通促進事業の一 環として,特許流通マインドの向上と知的財産取引業の育成を目的とした「国 際特許流通セミナー」を開催します.  セミナーには,国内外から70名近くの専門家が講師として招かれ,基調講 演,パネルディスカッション及びワークショップ等が3日間に渡って開かれま す.参加は無料(意見交換会は有料)ですが事前の申込みが必要.詳しくは以 下をご覧下さい.  詳細: http://www.ryutu.ncipi.go.jp/seminar_a/index.html  問合せ先:(社)発明協会 特許流通促進事業センター       電話:03-5402-8434 ====================================================================== ◆ 講演会「失敗に学ぶ経営」(広島) ======================================================================  当講演会では,失敗学の概念(失敗の法則,失敗スタイル,失敗回避原則等) を理解することで,失敗から学ぶことの重要性,失敗を今後の経営にどういか していくかを学びます.  また,体験発表として,実際会社を倒産させてしまった経営者の失敗体験談 を聴きながら,失敗を生かすための秘訣やリスクマネジメントの活用などにつ いて考えます.  日時:2004年2月17日(火)(木) 13:30〜16:30  会場:メルパルク広島 6階平成の間(広島市中区基町6番36号)  主催:財団法人 広島市産業振興センター  対象:中小企業経営者(経営者・従業員)等  定員:100名(先着順) ※定員になり次第締め切らせていただきます.  入場料:無料  申込用紙は  http://www.assist.ipc.city.hiroshima.jp/data/pdf/sippai.pdf  にて入手してください. 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